糖尿病とはどんな病気?

糖尿病とは血液中に糖分がたまる病気

糖尿病は、血液中に糖分がたまって「高血糖」にまること。健康な人の空腹時の血糖値は70~100mg/dlであり、126mg/dl以上が続くと糖尿病と診断される。

インスリンの不調が原因

健康なら、脾臓から分泌されるインスリンで糖分は体内に吸収されエネルギーになるが、暴飲暴食や運動不足など不摂生をつづけるとインスリンの分泌量が減り高血糖になる。こうなると頭がぼーっとするなどの症状が出る。さらに血糖が上がると血糖値が上がると昏睡になる場合もある。

合併症について

もっとも怖いのは合併症で高血糖状態が続くと血液がドロドロになり、まず細かい血管が傷つけられ、糖尿病性の神経障害、網膜症、腎症が起こりやすくなる。悪化すると手足のまひやしびれ、失明、腎不全が起こる。やがて当百などの太い血管も傷つけられ、動脈硬化が進み、心筋梗塞、脳梗塞になるおそれが高まる。

注意すべき症状

最初に現れるのは、のどの渇き。体がたまった糖を尿から排出しようとするため、体内の水分が失われてやたらにのどが渇くようになる。このとき甘いジュース類を飲むのは厳禁であり、さらに血糖値を上げてしまうことになる。
次に現れるのは、急な「やせ」。食べているのに3~5キロも痩せるようなら要注意。痩せる原因は糖が体に吸収されないためである。体力が失われ、ひどい場合には昏睡に至るおそれがある。

糖尿病になった場合に気を付けること

・摂取カロリーを減らす

糖尿病の食事療法はとにかく摂取カロリーを減らすこと。重篤な場合はかつ丼1杯相当の1200kcal/日。摂取カロリー目安の範囲内であれば酒も甘いものもOK。

・低カロリー食品を選ぶ

量をたくさん食べたいときは、こんにゃく、わかめなどの低カロリー食品を選ぶ。麺類ならラーメンよりソーメン。唐揚げを食べたいなら、衣をとったり、ほかの食べ物を減らす。

・痩せていても量を減らす

痩せていても食事制限は必要。インスリンの分泌量が正常でない限り、いくら食べても糖は吸収されず、食べ過ぎるとどんどん症状は悪化する。

・「甘味を減らすだけ」は間違い

甘くない食べ物でも、胃と腸で分解されると糖になる。

・気にしない日をつくる

食事制限だけではつらいので、月に1回くらいは好きなだけ食べていい日をつくってもよい。つき一程度ならそれほど症状は進行しない。

・運動して血糖値を下げる

適度な運動療法も効果的で、歩くだけでもよい。運動すると血液中の糖分が消費され、血糖値が下がる。全身の血流が良くなり動脈硬化を防ぐ効果も期待できる。

糖尿病Q&A

糖尿病は遺伝するか?

糖尿病になる人は、もともとインスリンの分泌量が少なく糖を処理する力である耐糖能が低い人が多い。これは遺伝するといわれており、肉親や親戚に糖尿病の人がいる場合は、より一層暴飲暴食や運動不足に気を付ける必要がある。

前日の夕食を抜けば検査をパスできるか?

治療中は、空腹時血糖値のほかに、グリコ・ヘモグロビンという検査をするが、これは3か月間の血糖値がわかるため、前日だけ抜いても意味はない。むしろ低血糖になるおそれがあるのでやめること。

インスリンを1度やるとやめられないか?

必ずしもそうではなく、入院してインスリンを一時的に打つと脾臓が能力を取り戻して、インスリンの働きが復活する場合がる。そうなればインスリンを打たずに済むようになる。