糖尿病 治療の最前線

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糖尿病は、かつては一度発症すると病状を改善させるのが困難であった。
血液中のブドウ糖量(血糖値)が慢性的に高くなる病気で、長期間無視していると、神経障害、某膜賞、腎不全などが起こり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす確率も高くなる、万病の元といえるものである。
しかしここ数年、特に早期治療に関して目覚ましい進歩がみられる。
2009年に新タイプの薬(インクレチン関連薬)が登場し、2010年には新しい診断基準も導入されて、早期発見、早期治療が可能になってきた。

なぜ血糖値が高くなるか

インスリン分泌量が減ったり、働きが低下すると、当の取り込みが不十分になって血糖値が上がる。これが糖尿病である。
インスリンについて説明すると、生命活動を支えるエネルギー源であるブドウ糖は、食事で摂取された炭水化物、タンパク、脂肪が消火・吸収された後で、自暴やグリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、夜間の絶食時には肝臓が常にブドウ糖を放出し、全身がそれを利用している。暴飲暴食しても肝臓がブドウ糖を十分取り込むため、全身の血糖値が高くなりすることはなく、この仕組みをコントロールするのがインスリンである。
深夜や食後でもすい臓がインスリン分泌を変動させながら肝臓によるブドウ糖の放出率や全身でのブドウ糖の取り込みを調整している。

なぜインスリンの働きが低下するのか

一般的に生活習慣病としてあげられる糖尿病では、インスリンの分泌の低下と、インスリンの働きの低下の両方が重なっている。
過食・運動不足・肥満などで脂肪がわずかでも蓄積すると、インスリンの働きは低下し、血糖値が上昇気味になる。こうなると、すい臓がインスリンを多く分泌しようとするが、これが続くとインスリンの分泌自体がやがて低下し、血糖値が上昇することになる。